割烹旅館として長年営業されてきた建物の一部を解体し、厨房と特別な客室を新築するプロジェクト。増築により細長い敷地全体に広がっていた建物のうち、中央部分を解体し両側の古い建物の間に新築している。
旧街道に面する既存建物から敷地奥に向けて徐々にプライベートゾーンとなるため、厨房と客室を分棟にし、間にバッファーとなるオープンスペースを設け庇の回廊でそれぞれの棟、既存建物を繋ぐ構成としている。中央には庇の雨を受ける水みちと開放樋を設け、繊細な和食にとって欠かせない水の存在を印象的に可視化させることを意図している。